幸福な王子
小学校の頃の『道徳』の本に書かれていた『幸福な王子』。
当時、切なくて哀しくって泣けました。
そして、今でも挿絵まで記憶に残る。
皆さんも読まれたことがあるかな?と思いますが、あらすじを書いておきますね。
昔々ある街に美しい幸福な王子の銅像が立っていました。
体は金箔で覆われ、目はサファイヤ、剣にはルビーといった宝石がついていました。
冬が近づいてきたある日 に王子の像の足元に一羽のツバメが留まり休息をしました。
ツバメが休んでいると上から水滴が落ちてきました。
それは王子の涙だったのです。
「私には街の中の悲しみが沢山見える。
あそこに病気の幼い子がいるが貧しくて薬が買えない。
ツバメ君、剣のルビーをその子に届けてやってくれないか。」
ツバメは王子に言われた通りその子にルビーを届けました。
それからも王子はツバメに目のサファイヤを才能のある貧しい若者とマッチ売りの少女に渡すよう頼みました。
ツバメは早く暖かいエジプトに行かなければなりません。
ツバメは寒い所では生きていけない。
でも、ツバメは王子の言った通り宝石を運んであげました。
両目が無くなってしまった王子。
でも王子は満足気に 「いいんだ。それであの子たちが幸せになれるなら。」
それを聞いたツバメはエジプトには行かず、王子の目の代わりになることを決心。
「ありがとうツバメ君。では私の体の金箔をはがして貧しい人に届けて欲しい」
ツバメは王子の金箔を貧しい人に届け続けました。
そうして冬になり、ツバメは凍えて動けなくなりました。
「王子様。良い事をして僕は幸せでした。」 そう言うと死んだ。
そのとき王子の心臓は悲しさに耐え切れなくなり壊れてしまいました。
次の朝、街の人たちは幸せの王子の像がすっかり汚くなっていることに気づき、 こんな汚い像はいらないと全部溶かしてしまいました。
ところが不思議なことに心臓だけは何をしても溶けませんでした。
そこで人々はそれを傍らで死んでいたツバメと一緒に捨てました。
切ない!
虚しい!
『道徳』の授業としては無償の愛についての学びだったのだろうけれど、今でも哀し過ぎる話だと感じる。
せめて、街の人には気付いて欲しかったと思ってしまう。
気付いてもらえなくとも、王子もツバメも幸せだったということなんだろうけれど。
誰かに褒められたい。
誰かに感謝されたい。
誰かに尊ばれたい。
それは、もはや無償の愛では無いのかもしれない。
だから、そこで完結なのが無償の愛なんだろうけれど…
街の人々がそんな風ならば、世の中は良くはならないし。
その街は哀しい街のまま。
そこに焦点がいってしまう私は小学校の頃も今も不足だらけの人間なのかもしれないなぁ~?!と。
どこに視点を置くかが問題ですよね。
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