磨き石

私の親戚の同年代の女性から聞いた話ですが。
彼女のご近所の同級生の男性の話。

彼女は田舎で小学校は1クラスで6年間ずっと一緒のクラスなのだそうです。

その同級生の中に「あそこまでサボる人間を見たことないわ!」という掃除も給食当番も何も一切しない男子がいたらしい。

その男子の両親も祖父母も学校の先生で、大人の事情で担任は注意はするけれど厳しく叱ることは無かったらしい。

そんな彼と同じ班になることは同級生はみんな嫌だったと。
反抗期とか思春期とかでのものでは無く小学1年から全てサボる。

掃除をサボってほうきで野球しているような男子も先生が来ると掃除をするふりをする。
しかし、彼だけは全く一切当番ものはしない。

そんな彼のことを唯一叱ったのは小学6年生の時の仏教会での1泊2日のお寺へ行った時の食事の後片付けをサボる彼への御住職の喝!

しかし、彼はそれも無視したらしく御住職が説教をされたらしい。

しかし、それも本人には響かなかった模様。
その時の説教が本人よりも周囲の子供達には響いたそうな。

頭は良くってスポーツも出来る。
しかし、中学でも片付けやグランド整備は一切せずに部活の楽しいとこどりで掃除などをサボる。
高校は進学校に進学して3日で退学。
その後は専門学校などを転々としたけれど直ぐに辞める。

そして、40年以上も働かずに都会のマンションに暮らして、定期的に親にお金をせびりに帰ってくる。
親の恩給や資産をタカって暮らしている60歳前。

さて、その親戚の女性があの時の御住職の話が年月と共に腑に落ちる!と。

小学6年生だったからざっくりしか覚えてはいないけれど、御住職のお説教の内容は以下のような話だったそうです。

『世の中には人の痛みの解らない人間が存在する。
そういう人間は磨き石なんだ。
その困った人間は周りの人間を磨くために生まれて来ているから改心することは滅多に無い。
しかし、周囲の人間の魂が磨かれてしまうとお役御免になる。
周囲の人間が磨かれ無いと君はそのままで生涯を終えることになる。
大変なお役目だね。
しかし、そんな役目から君さえその気になれば下りれるんだよ』

こんな話だったそうです。

でね、その親戚の女性がね言うには・・・
そこの彼のお母さんが彼女が大学に進学した時に「大学に行くのは何の才能も無い人間だ。うちの息子は才能があるから大学に行かない」と。

そして、彼女の子供が大学に進学が決まった時に「代々才能の無いお家は大学に行くのね。」と。

彼の周囲は磨かれていない。
だから、彼は磨き石のままみたい!と。

なるほど!
深い話ですね。
磨き石なのに周囲が丸くならないとゴツゴツのままなんだなぁ〜と。


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