選ばれし人
あれは2000年だったかな?
淡路島で花博があったのは。
当時、私はサンテレビのリポーターをさせてもらっていたのでカメラマンサンと取材に行っていた。
その時に高校時代の先輩のお母様が蔓で作るアーティストとして出展されていてお家でインタビューをした。
作品は全て大きくって蔓で作った麒麟や像などは4畳ほどのスペースをとる大作ばかりで圧巻でした。
ところが、インタビューによると、 それまでには一切物作りなどはされてはいなかった全くの経験も何も無い素人サンが突然に作品を作られるようになった!と。
それが辛いことがあって自死をしようと思われ、山を彷徨い蔓草で首を吊ろうとされた時に蔓が切れて命拾いをされた。
その時に助けてもらった蔓に恩返しをしたいと思った途端に勝手に手が動き巨大な作品が作れるようになったそうなんです。
そりゃ、巨大で手が込んでいて見事な作品の数々。
しかも蔓は自然のモノだから長さや太さやコブもある。
それが全く直すことも無く勝手に手が動いて様々な動物の作品が生まれ出されてくる!と聞いて驚いた。
あれを図面を書くどころか構想も立てずに手の赴くままに編んでいくと麒麟や象やワニやあらゆる動物になっていくなんて信じられない。
それが編み物も何も作って来なかった素人サンがあんな大作を作れるものなのか?と。
製作されている時は別人のように取り憑かれたかような一心不乱。
で、仰った言葉が不思議さを物語っていた。
『作るというよりも、そこにある動物を出している作業で』と。
多分、蔓に選ばれた方なんでしょう。
モノ作りの人ってその仕事を選んだのでは無く、選ばれた人なんだろうなぁ!と思います。
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