不思議な話②
私の父親は50歳代に脳の手術をしました。
簡単な動脈瘤のクリップで止めて血を抜く手術だからと簡単そうにお医者サンに言われた。
手術中にクリップが止まらないから手術方法を変えると言われて大騒ぎの模様で予定の5倍以上の手術時間。
術後も様子はおかしかったが、手術の後遺症だから「様子を見ましょう」とばかりでお医者サンはこっちも向いて説明もされない。
そして、会ってもらえなくなり、挙げ句にそのドクターは脳外科ごと消失。
消滅した脳外科と戦う医療裁判は不可能と赴いた司法相談でも言われているうちに、深刻化する父親の介護に追われ、母も介護鬱になり我が家はそれどころでは無くなった。
脳はおかしいが未だ若かった父親は力も強く、体力もあるので暴れる介護は厳しかった。
父親の若さもあって介護施設でも断られて、特殊な病院でも断われて数年間の家での介護は今振り返っても地獄。
その父親はやはり足腰は元気だから徘徊もする。
その見張りをしつつの介護は過酷。
はじめは母と交代でやってはいたが、時にはその父親を閉じ込めてでも、 村の作業や墓掃除などには行かざるを得なかった。
しかし、扉を壊して行方不明になり、村の皆さんや警察にも捜索を何度もお世話になった。
本当に申し訳無かった。
何度ともなると他言せずに母と2人で夜中に山を探したこともある。
そんな時に父親は必ず西の山(千ヶ峰の連なる)へと迷い込む。
目を離した隙に。
そして、一晩消えたこともあって雪の中を一晩中捜索したこともある。
すると、西の山(昨日書いた回廊あとの山)の巨石(磐座)の陰で夜露を避けているらしい。
そして、見つけて連れ帰ろうとすると『何百年、何千年我慢したらいいのや!』とどこで見つけたのか鉄パイプや木刀のようなモノを振り回す。
何百年?
何千年?
よくぞ、あの魔界のような日々を超えたものだと思う。
今でも、父親の血走った目が蘇り震えが出る。
脳の手術のせいか?!
はたまた、この山の魔物のせいか?!
Hおじいさんも「この西の山には魔物が住んでいる。高野山の高僧の大きな数珠でもパン!と切れる位の魑魅魍魎がいる。
誰でもが迂闊にこの山に手を出すとやられてしまう!
特別に守られている人間しか入ってはいけない」と涙目になられたのが今も忘れられない。
不思議なことはあります。
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